こんにちは!おすし(@osushiyo_osushi)です。
FX自動売買を運用する方法として「ハーフ&ハーフ」という手法があることを知っていますか?
ハーフ&ハーフとはマネースクエアのトラリピ注文の手法の一つで、うまく利用すれば必要資金が3分の1以下で済むというメリットがあります。
今回は私も運用しているハーフ&ハーフの手法について解説していきます。
Contents
ハーフ&ハーフとは?~チャートの上半分に売り・下半分に買いの自動売買を設定する~
ハーフ&ハーフとはトラリピなどのFX自動売買を注文する時の手法の一つで、ある価格より上の価格に売りのトラリピ、下の価格に買いのトラリピを設定する手法です。

同じ価格帯を上下に繰り返し動くレンジ相場では中央の価格に戻ろうとする力が働くため、買いと売りの自動売買の設定を大幅に間違えない限りはコツコツと利益を出せる有効な取引スキルです。
マネースクエアのトラリピで紹介されている手法で実際に私も利用しています。
主にトラリピ注文をする時に利用するのですが、トライオートFXでもトラリピ注文を再現できるのでトライオートFXでも有効な方法になります。
トライオートでトラリピ注文を再現する方法はこちらの記事を参考にしてください。

ハーフ&ハーフのメリットとは何か?
ハーフ&ハーフを利用すると何が良いの?と思うかもしれませんが、主な特徴は2つあり、
- 必要証拠金が少なくて済む
- 含み損を抑えることができる
というメリットがあります。
記事内の例では買い注文(売り注文)のみで自動売買を運用する場合は279,480円の資金が必要なのですが、ハーフ&ハーフを利用すると87,952円で運用することができるのです。
必要資金を3分の1以下に抑えることができています。
証拠金MAX方式なら必要資金が少なくて済む
ハーフ&ハーフを利用する1つ目のメリットは「必要証拠金が少なくて済む」という点です。
例えば下の画像の価格帯に自動売買を設定したい場合、通常必要な証拠金は2万円だとします。
通常の自動売買の場合
次は売りと買いの自動売買の2つを設定する場合、こちらも同じように証拠金は合計で2万円になるはずなのですが、実際には1万円しか必要としません。
ハーフ&ハーフ注文の場合
というのも、マネースクエアでは必要な証拠金はMAX方式を採用しているため、買いと売りのどちらか多い方の証拠金があれば良いのです。
証拠金MAX方式とは
・・・1つの通貨ペアの中に買いと売りの自動売買が存在する場合、高いほうの証拠金のみ適応される。
例えば、買いの自動売買が広範囲になって証拠金が2万円、売りの自動売買の範囲が狭くなり証拠金が5千円になったとすると、必要な証拠金は2万円になります。

2万円(買い注文の証拠金)>5千円(売り注文の証拠金)=2万円(必要な証拠金)
1つの通貨ペア内に買いと売りの両方の注文を設定する場合、MAX方式だと必要な証拠金を抑えることができます。ぜひ覚えておきましょう。
含み損を少なくすることができる
2つ目のメリットは「含み損を少なくすることができる」点です。
早速ですが、その理由を具体的な数値を使って説明をしていきます。
ドル円相場で90~110円の間に1,000通貨で20本の注文を設定する場合の具体例です。
通常の含み損:ハーフ&ハーフを利用しない場合(買い注文のみ)

- 注文:買いのみ
- 価格幅:90~110円
- 注文本数:20本(1.05円間隔)
この場合、すべてのトラップが成立した場合の必要な資金は279,480円です。
必要資金の計算
必要資金(279,480円)
= 必要証拠金(79,980円)ー 最大含み損(-199,500円)

買い(売り)だけの一方向の自動売買を稼働させた場合、価格レンジの上限(下限)に達するとー199,500円の含み損を抱えることになります。(上図参照)
少ない含み損:ハーフ&ハーフを利用する場合(買いハーフと売りハーフの注文)
まず最初に買いの自動売買を設定してみます。
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- 注文:買い
- 価格幅:90~100円
- 注文本数:10本(1.11円間隔)
設定した買い注文がすべて成立した場合の必要資金は87,948円です。
必要資金の計算
必要資金(87,948円)
= 必要証拠金(37,998円)ー 評価損(-49,950円)

次に売りの自動売買を設定してみます。

- 注文:売り
- 価格幅:100~110円
- トラップ本数:10本
売り注文のトラップがすべて成立した場合の必要資金は87,952円です。
必要資金の計算
必要資金(87,952円)
= 証拠金(38,002円)ー 評価損(-49,950円)

この時点で買いの自動売買の証拠金37,998円と売りの自動売買の証拠金38,002円がそろいましたね。
トラリピやトライオートFXの証拠金はMAX方式を採用しているのでハーフ&ハーフで運用した場合、売りの自動売買の「38,002円」が証拠金になります。

37,998円(買い注文の証拠金)< 38,002円(売り注文の証拠金)
そしてすべての注文が成立する条件は買いと売りのどちらかの自動売買だけなので、価格レンジ内で発生する最大の含み損は「-49,950円」になります。
ここまでで注文する為に必要な証拠金と発生する最大の含み損がはっきりしましたね。
ハーフ&ハーフで運用する場合、必要な資金を計算すると合計で87,952円になります。
ハーフ&ハーフで運用する場合の必要資金
必要資金(87,952円)
= 証拠金(38,002円)ー 最大含み損(-49,950円)
ハーフ&ハーフを使っている/いない場合の必要な資金を比較して見ると
- 買い注文(売り注文)のみの必要な資金・・・279,480円
- ハーフ&ハーフで運用する必要な資金・・・87,952円
となり、ハーフ&ハーフで必要な資金は普通に買い注文(売り注文)を出す場合よりも、3分の1以下済むことが分かります。
ハーフ&ハーフのデメリット
ここまででメリットを説明しましたが、もちろんデメリットもあります。
それは、
- 設定したレンジを抜けると含み損が発生する
- トレンド相場には適さない
- 売り注文にはマイナススワップが発生する
という3点です。
想定レンジを抜けると予定よりも含み損が増える可能性がある
当たり前の話ですが、想定していたレンジを抜けると想定以上の含み損が発生します。
レンジを設定する時はサポートラインやレジスタンスラインを意識して上限・下限のレンジを設定しますが、このレンジを抜けた時は含み損が増えていくだけになります。

予想レンジを抜けると利益の発生しない地獄の含み損の日々が始まるので、できるだけレンジは広く見ておく方が良いでしょう。
また考え方によっては、「レンジを抜ける=価格が中央に戻ろうとする力が強力」とも言えるので、チャンスと考えて新しく自動売買を設定するのも”あり”かもしれません。
含み損の対処法についてはこちらの記事にもまとめています。

トレンド相場にハーフ&ハーフを利用すると危険
また、トルコリラ円や南アフリカランド円などの通貨ペアにはおすすめしません。
一方向に価格が動くトレンド相場なので、ハーフ&ハーフのレンジを抜ける可能性があります。そもそもどこの価格を中央値(買いと売りの自動売買の切り替え値)とすれば分かりません。
(トルコ円:月足チャート)
トルコリラ円で含み損を計算した結果、高いスワップでもカバーできないほどの含み損が発生します。詳細はこちらの記事をどうぞ。

ドル円や豪ドル円などのレンジ相場の通貨ペアにハーフ&ハーフを利用することをおすすめします。
売りトラリピのマイナススワップに注意
当たり前ですが、通貨ペアによってはスワップが発生します。
為替の動きによってはスワップを支払うレンジ帯に価格が停滞する可能性もあり、スワップポイントを支払う期間やポジションが多くなります。

スワップ支払いを極力抑えたい場合はスワップ支払いのレンジ帯を狭くしたり、売りの自動売買だけ注文幅を広げる(ポジションを少なくする)などの工夫をすると良いでしょう。
最悪の事態はスワップ支払いのレンジ帯を抜けた場合、延々とスワップを支払うことになるかもしれません。
その場合、手っ取り早くロスカットして、新しい設定をする、もしくは資金に余裕がある場合、新しい自動売買を稼働させるのもひとつの手です。
私はスワップの重みに耐えられずに損切りを経験しました。


まとめ
- ハーフ&ハーフはチャート上半分に売りの自動売買、下半分に買いの自動売買を設定する。
- 必要資金が通常の3分の1で済むことがある。
- 設定したレンジ帯を抜けると想定よりも含み損が発生する。
- スワップ支払の注文方法には注意しよう。
ハーフ&ハーフは注文を2つに分ける単純な仕組みですが、実は根拠のある理にかなった方法です。おすすめなのでぜひお試しあれ!
ハーフ&ハーフで価格レンジを決める方法はこちらを参考にしてください。

価格帯を決めたら次はレンジの中央値を決めてみましょう。

実際に運用している私のハーフ&ハーフ戦略はこちらです。

それではグッドラック。