どうもこんにちは!おすし(@osushiyo_osushi)です。
何もせずともザクザクお金が入ってくるトルコリラ円のスワップ投資。
とても魅力的ですが私はかなり危険な投資法だと思っています。
メリットばかりが大きく取り上げられがちですが、今回はなぜトルコリラ円のスワップ投資が危険な投資法なのかを解説していきます。
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トルコリラ円は含み損が増え続ける
トルコリラ円をスワップ目的で運用すると含み損が増え続ける可能性が高いんですよね。
別記事でもたまに言っていますが、トルコリラ円はレンジ相場ではなく右肩下がりのトレンド相場です。

直近18年間で197円から15円まで価格が下落しています。割合にするとなんと92%の下落です。
直近5年間のチャートを見ても価格は39円下がっています。

この価格の下落を踏まえて含み損を計算してみましょう。
5年前にトルコリラ円のスワップ投資を始めていたとします。(価格の下落と共に買い増しする方針)
54円をスタート価格として底値15円までの39円幅を下落した場合、注文幅別に2019年時点で抱えている含み損を計算すると、注文幅が…
- 注文幅が20pipsの場合・・・382万円の含み損
- 注文幅が50pipsの場合・・・154万円の含み損
- 注文幅が100pipsの場合・・・78万円の含み損
が発生します。
※含み損計算早見表から引用
含み損増えすぎですね^^;
とはいえ、トルコリラ円の通貨ペアは日当たりのスワップ利益が大きいので「スワップ益で含み損がカバーできるかも…」という考えになると思います。
そこで受け取るスワップ益でこれらの含み損をプラスにするために、1日あたりいくらのスワップポイントを受け取れば良いのかをざっくり計算してみます。
単純に5年間の含み損を1日当たりの含み損にすると、各注文幅の含み損は427円、843円、2093円です。(下記参照)
- 注文幅20pips … 1日の含み損2093円(=5年間で382万円)
- 注文幅50pips … 1日の含み損843円(=5年間で154万円)
- 注文幅100pips … 1日の含み損427円(=5年間で78万円)
※5年間の含み損 ÷ 5年間の日数 = 1日当たりの含み損
評価損益をプラスにするためには
『 1日当たりの含み損 < 1日当たりのスワップポイント 』
になれば良いのですが、実際に受け取れるスワップポイントを調べてみると・・・1000通貨で1日当たり8.3円です。(2019年9月)
そして日当たりの含み損を上回るスワップを受け取るにはたくさんの買いポジションを持つ必要があります。持たなければいけないポジション量は、
- 1日2093円以上のスワップ益を受け取る・・・252,000通貨以上
- 1日843円以上のスワップ益を受け取る・・・101,000通貨以上
- 1日427円以上のスワップ益を受け取る・・・51,000通貨以上
となり、結構な量のポジションを持たなければいけません。
注文幅 | 受け取りたいスワップ額 (1日あたりの含み損) |
保有したいポジション量 (含み損<スワップ益になる) |
20pips | 2093円 | 25万2千通貨以上 |
50pips | 843円 | 10万1千通貨以上 |
100pips | 427円 | 5万1千通貨以上 |
ですが実際に5年前の39円から2019年の15円までの価格帯で買い増ししたポジション量はというと…足りていません。
注文幅 | 1日の含み損 | 含み損<スワップ益 になるポジション数量 |
5年間で保有する 合計ポジション量 |
20pips | 2093円 | 25万2千通貨以上 | 19万5千通貨 |
50pips | 843円 | 10万1千通貨以上 | 7万8千通貨 |
100pips | 427円 | 5万1千通貨以上 | 3万9千通貨 |
上の表の注文幅50pipsを例にすると、1日の含み損843円を上回るスワップを受け取るためにはポジション量10万1千通貨以上のポジションが必要でしたが、実際に5年間では7万8千通貨しか保有していません。
含み損<スワップ益にするためにはポジション量が不足するので、さらに注文幅を狭くしてポジション量を増やすと今度は含み損が増えていきます。
すると1日当たりの含み損が増え、スワップ益が不足します。するとなおさらポジションが足りなくなり・・・
成立していません。含み損をスワップ益でカバーできていません。
しかも今回の計算は結構適当です。運用開始時はポジション量が少ないので実際に受け取るスワップはもっと少なくなります。
今(15円付近)から運用すれば最大の下落幅は15円程度になるので上記の計算結果ほどの含み損は発生しませんが、トルコリラ円のスワップ益で含み損をカバーすることが難しいということが分かったと思います。
そこで気になるのが…
トルコリラ円が将来的に上昇する可能性とは
「トルコリラ円はいつ上昇するんだ??」
って話です。これらの含み損もトレンドが反転すれば一気に利益に変わっていくのですが、いつまで経っても継続して価格が上昇しません。
経済情勢に詳しくないので無責任な話ですが・・・
トルコリラ円は当分上昇しないんじゃないですか?
トルコリラ円は過去18年間下がり続けている相場です。今日が底値で明日から上昇し始めるとも思えませんし、1年後も5年後も同じ状態ではないでしょうか。
トルコの政策金利は20%程度で、ある程度信用度のある通貨の中で異常なくらい高金利です。
※外為どっとコムから引用
年々上昇し続けてきたにも関わらず相場は右肩下がりの状況です。スワップがたくさんもらえるなら買いのポジションも増えそうな気がするんですけどね。
そんな中で金利の引き下げが行われると、スワップを目的とする人はうまみが減るので少なからず撤退(売り)する人がでてきます。
そうなると価格は下がり、含み損に耐えられない人は損切りを行い、売りが売りを呼んでロスカット(強制売り)を巻き込みながらさらに下がる。
この繰り返しのように感じます。
今後、世界的に好材料となるビックニュースが無い限りは今の状況が続くのではないでしょうか?
1日に1円以上の急落が少なくとも4回は発生している(2018年~)
トルコは成熟した先進国という訳ではないのでメジャーな通貨と比べるとどうしても値動きが不安定になります。
ここ1年で急落が起こったのは2018年8月10日、2019年1月3日、3月22日、8月10日の計4回ですね。

上の画像は日足のチャートで急落する時は1日で1円以上下落しています。
価格が下落する原因はいろいろあると思いますが、ローソク足が下ヒゲをつけるほどの流れとしては・・・
→経済情勢が悪くなる
→トルコリラ急落
→レバレッジ高めの人がロスカット(強制売り)
→売りが増えるので価格が下がる
→レバレッジがやや高い人がロスカット
→売りが集中するのでさらに価格が下がる
→レバレッジが…
というループですかね。
ふとした事が引き金となり、多くの投資家のロスカットラインが突破され、売りの注文量がある程度減るまで価格が下がる。そしてあらかじめ安値圏に買いの指値を入れていた人の注文が成立し、一気に上昇して戻る。
そんなことが4ヶ月に1回起こっています。
発生する含み損としては1回の急落で2~3円下がるので
- 1万通貨保有・・・-2~3万円の含み損
- 5万通貨保有・・・-10~15万円の含み損
- 10万通貨保有・・・-20~30万円の含み損
となり、1日の間に結構な含み損を抱えることになります。
その日のうちに価格が元の水準まで戻っているので影響は瞬間的ですが、もし価格が戻らないようなことがあると含み損が一気に増えただけになってしまいます。
あらかじめリスクを計算して運用口座に資金を入れておけば良いですが、油断しているとあっという間にロスカットされるので注意が必要です。
私もトルコリラ円を運用していました。その結果は・・・
実際にトルコリラ円のスワップ投資をしたことあるの?
と言われるとブログを始める前(2017年頃)に一時期やっていました。なぜ辞めたかは上述の通り。長期的に見て価格が上昇する感じがしませんでした。
運用していたのは2017年頃で当時は28~32円の間で推移しており、トータルで10万円程度の利益が出ていた記憶があります。証拠が何も残っていないので嘘くさい話のように感じますが。(スワップ益+取引益)
↓2017年当時のチャート

先行きが不安で辞めたのですが、今考えると辞めて正解でしたね。
その頃も月足チャートで見れば最安値だったので今がチャンス!と言わんばかりに始めたのですが、2019年の今となってはかなりの高値です。

結果論でしかないですが、当時の30円前後と比べると今は20円前後なので2年間で10円ほど下がっています。
おすすめはしませんが今から始めるのであれば価格が0円になってもロスカットされない資金量で始めると良いでしょう。
まとめ
トルコリラ円はどこまで下がるか正直分かりません。
「トレンドが反転すれば・・・」
など考えたくもなりますが、世の中ちょろくはないので甘い考えで始めるのは止めましょう。
長期的に価格が下がっているからトルコリラ円のスワップ投資は期待できない、という話でしたが逆に右肩上がりで期待ができるのは米国株です。絶対儲かる!なんてことは言えませんが配当と取引益の両方を見込めます。

もしくはスワップ利益は無視して、レンジ相場でハーフ&ハーフ運用をすることで確実に利益を積み立てた方が得策です。

もはや考えるのがめんどくさい人は積立て投資ですね。月に1回買付をするだけでプラスの利益が見込めます。

不労所得を目指して。
それでは!